米子(よなご)での日々の暮らしをエンジョイしている人たちを紹介する『よなごびと』。「広報よなご」平成30年11月号から掲載がスタートしました。
”地域の「じぃじ」と
「ばぁば」になりたい”
子ども食堂とは、子どもが一人でも行ける無料または低額の食堂です。貧困の子どもだけが対象ではなく、食を通じて地域がつながる場所として、全国で7000か所以上の食堂が運営されています。
辻さん夫妻は2017年に子ども食堂を米子市内で立ち上げました。当時、鳥取県西部地区で初の開設となりました。近年、子どもを取り巻く環境が複雑になり、欠食や孤食が問題になる中で、「自分たちの子育てもひと段落したので、子ども食堂ならできると思って」と振り返ります。
食堂は今年で7年目を迎えます。地元企業などからの寄付で集まった食材を使い、彩りや栄養が考えられ、子どもが楽しく食べられるよう工夫されています。「食べることが楽しめれば、生きることを楽しめる。食の力ってすごいんです」と妻の洋江さんはほほ笑みます。また、「子ども食堂は貧困の子どもだけのものと勘違いされますが、それは違います。食堂を通して、親が少しでもゆとりのある子育てができるように支援したいです」と思いを語ります。
2年前には「フードバンクよなご」を立ち上げ、寄付された食品や食材を提供する活動も始めました。「子育ては一人ではできません。困ったときは『遠くの親戚より近くの他人』です。子育てをがんばる親御さんたちに手を差し伸べられる、地域の“じぃじ”と“ばぁば”になりたい」と夫妻は前を見据えます。
第1回~第50回をまとめた電子書籍(多言語翻訳・音声読み上げ機能あり)を配信しています。