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山陰スピリチュアル紀行

朝山神社神迎祭と岩根寺を訪ねる

神朝山岩根寺~朝山神社

毎年、旧暦10月1日の祭事として行われる『朝山神社 神迎祭』。令和2年は11月15日(日曜日)となり、同じく朝山町にある『岩根寺』とともに訪ねました。

神朝山岩根寺

15時からの神迎神事が始まる前に、まず岩根寺へ。稗原川沿いを行くと荒々しく削られたような岩肌と色づき始めた大銀杏が目を引き、御本堂に近づくほどデイサイト節理の迫力に言葉を失います(写真の本堂手前のメンバーと比べてください)。
岩根寺の本堂と大銀杏<br>背後にはデイサイトの節理がみられる断崖
岩根寺の本堂と大銀杏
背後にはデイサイトの節理がみられる断崖
デイサイトとは、石英を多く含む火山岩で、粘性が高い溶岩から生成されるため釣鐘状に盛り上がった山容となることが多いとのこと。
朝山地区には
出雲国風土記に記された『大国主命にゆかりのある六つの山(宇比多伎[ういたき]山・稲積[いなづみ]山・陰[かげ]山・稲[いね]山・桙山[ほこ]・冠[かがふり]山)』があり、そのうちの五つの山がデイサイトで生成されているといいます。

岩根寺のある陰山の北側の断崖は人の手は一切加えられておらず、自然のままの姿だとのことです。現在の建物は明治22年に再建されたもので、境内入口の苔むした不動明王像のほか、断崖の下部に彫られた「磨崖六地蔵」があります。表情も読み取れず、岩の一部のようになった地蔵菩薩、その下に並べられた小さな地蔵たちに古の人々の祈りをみた気がします。
断崖に彫られた「磨崖六地蔵」と地蔵<br>
断崖に彫られた「磨崖六地蔵」と地蔵
岩根寺のシンボルの一つ、大銀杏の見ごろは12月上旬とのことですので、今度は黄金色に染まった岩根寺を訪ねてみたいものです。
所在地:島根県出雲市朝山町
自然遺産と信徒の皆さんのお気持ちに思いを馳せていると、時間が14時30分を回ってしまいました!急いで朝山神社に向かいます。

朝山神社 神迎祭(旧暦10月1日)

朝山神社は、前出の宇比多伎山(標高180m)山頂にあり、岩根寺からは車で10分ほど。
出雲国風土記 神門郡朝山郷の条に
郡家(ぐうけ)の東南五里五十六歩の所にある。神魂(かみむすひ)命の御子、真玉着玉之邑(またまつくたまのむら)日女(ひめ)命が鎮座していらっしゃった。そのとき、所造天下(あめのした・つくらしし)大神、大穴持(おおなもち)命が娶りなさって、朝毎にお通いになった。だから、朝山という。  ※郡家:神門郡の役所
と記される真玉著玉之邑日女命が主祭神で、その名のとおり姿の美しい玉のような麗しい心をもった女の神様です。
また、宇比多伎山は風土記に「大神の御屋」とあり、古来より信仰を集めていたようです。休日に神迎祭が重なることは滅多にないため、到着した頃には境内は100人ほどの参拝者とメディアであふれていました。
神事は先ず、拝殿でお祓いを終えられた宮司と神籬を携えた総代達が、境内から鳥居の前に設えられた祭壇まで向かわれ、参拝者がそれに続きます。
神様をお迎えする神事が始まります
神様をお迎えする神事が始まります
神様がいらっしゃる神籬を囲み十九社までお運びする
神様がいらっしゃる神籬を囲み十九社までお運びする
鳥居の外で神様をお迎えになられた宮司と総代は、神籬を白い布で囲み、杉林の参道を抜け境内をぐるりと廻り、10日間を過ごされる十九社へ遷されます。
十九社での神事を最後に神迎祭も終わり。参拝者に御下がりが配られ、御朱印もいただけます。お参りを済ませ境内を後にしようとしたところ、毎年参拝されているという稗原地区の方が宇比多伎山の展望台を案内してくださいました。眼下には簸川平野、遠くに日本海を一望する気持ちの良い所で、秋の夕日を浴びてひと際赤く染まる紅葉が美しく、穏やかでたおやかな出雲の山野の光景に暫し時を忘れてしまいました。
宇比多伎山の展望台から遠くに日本海を望む
宇比多伎山の展望台から遠くに日本海を望む
通常であれば此れにてレポートを終了するところですが…
「神迎祭に参加したのであれば神送祭にも参加だろう?」「そもそもいつ頃から行われていた?」「なぜに先ず朝山神社にお集まりに?」などなど心の声と、車から落ちたスマホを探していたために、中途半端なお参りになってしまったことが悔やまれて、メンバーの1人とともに参拝をしました。ここからは神送祭の報告です。

朝山神社 神送祭(旧暦10月10日)

神送祭が行われたのは11月24日、もうじき師走を迎えるとは思えない小春日和の午後でした。15時30分、境内での宮司さんのお祓いから神事が始まりました。神様が過ごされた十九社での祝詞、玉串拝礼と続き、神饌が下げられます。
玉串拝礼
玉串拝礼
神迎祭と逆の順番で巻き戻しを見ているようです。そして、白布で覆われた神籬は、次においでになる稲佐の浜に向けて、お迎えされたときと同じ神社の入口まで運ばれます。
十九社から神社入口まで向かわれる
十九社から神社入口まで向かわれる
夕刻、稲佐の浜に向かわれる神様をお送りする
夕刻、稲佐の浜に向かわれる神様をお送りする
神迎祭のような賑わいはありませんでしたが、秋の穏やかな夕暮れそのもののような温かな神送祭だったと思います。松尾宮司によると、朝山神社での神在祭は『種組祭(たねぐみさい)』という来年の稲の品定めを行っていた風習が始まりとのこと。いつ頃から始まったのかは定かでなく、お手元には昭和30年代の記録があるのみとのことです。
いずれにしても、氏子の皆さんの深い信仰心がなければ今まで続いてこなかったでしょう。もしかしたら、神在祭も時代とそこに暮らす人々ともに変わるかもしれない、それも楽しみに社☆ガールで見届けていきましょう~。
所在地:島根県出雲市朝山町1404
協力:岡 寿美子(社☆ガール)