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山陰スピリチュアル紀行

美保関のジオパーク&ジオガイド研修

宇井(うい)の古浦(こうら)層~惣津(そうづ)・明島(めいじま)~地蔵埼・美保関灯台~青石畳通り

今回は島根半島・宍道湖中海(国引き)ジオパーク推進協議会の助成を受け、2月に実施した社☆ガール独自のガイド研修をご紹介します。

 

今回はガイドだけではなく新たな地元の魅力を発見していただけたらと、一般の方からも広く参加を募りまして、なんとスタッフ含めて20名の方にご参加いただきました!

 

週の前半は雪も降ったりして天候が心配でしたが、社☆ガールパワーで当日はよく晴れて季節外れの暖かい日となりました。

宇井(うい)の古浦(こうら)層

 

午前中は島根大学大学院の入月先生による地質解説です。

 

まずは駐車場から歩いて古浦層が見えるところへ。この美保関の地層は主に2000~1800万年前の古浦層と、1600万年前の成相寺(じょうそうじ)層からなっていて、南から北に向かって新しくなっているそうです。

ちなみに主に河川や浅い湖であった古浦層の地層からは植物の化石がよく見つかっているらしく、なんと2000万年前のクロモジの化石が発見されているらしいですよ。

 

お正月のモチバナ祭でも使われるクロモジ、こんな時代から美保関にあったんだとびっくりしました。

下見に行ったときは上の採石場跡に行ける道に気が付かず・・そちらの方が地層がよく見えるということでしたので、当日入月先生に案内していただいて急遽予定変更で行ってみることにしました。

 

来てよかった! やっぱり近くで見ると迫力がかなり違います。砂と泥が交互に重なっているという地層の様子もよくわかりますね。 写真ではわかりにくいですが、断層もはっきり観察できたしとても面白い場所でした。

こちらへは美保関唯一のコンビニの向かって右側の旧道を登って行くと着きます。この先の道路は自衛隊基地への入り口で通行止めになっています。路肩に駐車できますが、自衛隊車両も通行しますので注意してくださいね。崩落しやすく、また共有地でもあるらしいので立ち入りはせずに道路からの眺めを楽しんでください。

所在地:島根県松江市美保関町森山

惣津(そうづ)・明島(めいじま)

とっても素敵な風景♪  青い空に青い海と黒い岩場と白い砂浜のコントラストが絶景でした。

 

こちらは約1600万年前の深海底でできた泥岩と、砂・泥・レキの地層が傾いた様子が観察でき、このように波に削られて岩場が平らになったところを波食崖(はしょくがい)といいます。ここに日本海が湖から「海」になった瞬間の地層という場所があり、教えていただきましたが・・・すみません、私のへっぽこ観察能力では違いがよくわかりませんでした。

こちらにある黒い地層部分は泥・ヘドロからできている泥岩です。泥は酸素が少ないので鉄分が硫黄分と化合して硫化鉄になり、この黒い色ができているのだそう。

 

岩の一部に黒いものと白いものが混じっている場所がありましたが、それは泥と海底から上がってきたマグマが水蒸気爆発を起こし、冷え固まったもので白いマグマの中に黒い泥岩が混じってるということでした。

上の写真は明島(めいじま)です。これは海底に積もっていた泥を貫いて上がってきたマグマが噴火せずに冷え固まったものだそう。頂上には明島神社(めいじまじんじゃ)があり、海津見命(わたつみのみこと)が祭られています

 

今回は参拝できませんでしたが、海岸から遊歩道を通って島に上陸できて神社に行くこともできますよ。眺めが良さそうなので、今度個人的にも行ってみようかな。

明島の横には地層が曲がった様子がよく見えます。地層の曲がりが右下と右上がりにわかれていたり、奥で逆U字に曲がっていたりさらに断層で切れていたり、一体どれだけの力がこの土地に加えられたんだろうと考えるともの凄い大地の力を感じました。

 

さらに海底だったその地層がこんな地表まで押し上げられているのだと思うと、本当にただ感動です。

 

この海岸には本当にたくさんの地質の観察スポットがありますので、お勧めですよ♪ 路肩は広いので路上駐車もできますが、海水浴シーズンには使用できなくなるとも聞きましたので、ジオ目的で行かれるときは海水浴シーズンを避けたほうがよさそうです。

所在地:島根県松江市美保関町七類

地蔵埼・美保関灯台

午後からは美保関灯台へ移動して、社☆ガールガイドの出番。今回は私、山本がさせていただきました。

 

古浦層の地層の説明など入月先生にフォローを入れていただきながら、地層を見てもらったり灯台やその門柱の森山石を観察見てもらいました。美保灯台の説明や内部に展示してあるレンズや隕石のレプリカを見ていただいたあと、地の御前島・沖の御前島の遥拝所などを巡りました。タイミングが良ければ鳥居の間からフェリーが見れるかなと思いましたが、残念ながら見えませんでしたね。

所在地:島根県松江市美保関町美保関

青石畳通り

場所を移動して青石畳通りも。北前船で大変に栄えた歴史や商家、江戸末期から整備されたという石畳や使われている森山石と笏谷(しゃくたに)石の解説など。

 

時間切れで美保神社まではご案内できませんでしたが、四国御影の階段や来待石の大きな狛犬さんを紹介して研修会は終了いたしました。

所在地:島根県松江市美保関町美保関581

惣津海岸にて記念撮影。

 

参加していただいた方からも、地元にこんな場所があると知れて楽しかったと言っていただきました。私も割と近い場所に住んでいるのに、知らなかったことや場所がたくさんでとても良い学びの機会でした。

 

実際に訪れて地層や岩石などを間近に見たり触れたりすると、また感動もひとしおです。本当に気軽に行ける場所にあるので、気になった方はぜひ現地に行って、ジオを感じてみてくださいね。

 

(2021.11.15)

協力:山本 陽子(社☆ガール)

※取材時点の情報です。掲載している情報が変更になっている場合がありますので、詳しくは電話等で事前にご確認ください。