先週の亜鉛に関連して、今週は「銅」についてです。

「銅」が不足すると、抗酸化力の低下、血管や骨形成の阻害、鉄投与に反応しない貧血、免疫力の低下などが起こります。軽いうつ症状がみられることもあります。

ただし、普通の食事で欠乏することはまずありません。

欠乏しうるのは、亜鉛のお薬をとりすぎた時などです。亜鉛と銅は、細胞内に吸収される部位が同じです。亜鉛を過剰摂取すると細胞内の亜鉛量が多くなり、亜鉛を細胞内に取り込む分子の発現が低下し、それによって銅の吸収も低下してしまいます。

亜鉛のサプリメントでも、製品によっては取りすぎると銅の吸収を妨げるとことがあります。

当院では亜鉛の血清濃度を測定するときは、たいてい銅の濃度も測定します。実際は銅ではなく、亜鉛が低下していることが多いです。血清濃度は必ずしもミネラルの過不足を反映していない場合もありますが、参考にしています。亜鉛を積極的に補給する場合は、銅の濃度にも注意することが必要ですね。

当院では銅も含まれている亜鉛サプリメントを取り扱っています。気になる方はお問い合わせください。