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山陰スピリチュアル紀行

大神山神社 奥宮古式祭『もひとりの神事』と スセリヒメの唐王神社を訪ねる

唐王神社~壹宮神社~大神山神社奥宮~大山・石室

昨年に引き続き、今年も7月の三連休14日から15日にかけて斎行された大神山神社奥宮古式祭『もひとりの神事』。昨年に続き参加させていただきました。
また、大己貴命(オオクニヌシの別名)をご祭神とする大神山神社の近くには、オオクニヌシの妃、スセリヒメが祀られている唐王神社、オオクニヌシの娘神であるシタテルヒメを祀った壹宮神社があり、まるでオオクニヌシを仰ぐように縁の二柱の姫神が鎮座されています。
今回は、まず二社を訪ねた後オオクニヌシの懐へと参りました。

唐王神社(とうのうじんじゃ)

唐王神社
唐王神社
唐王神社の「毒虫(マムシ)よけの砂」
唐王神社の「毒虫(マムシ)よけの砂」
唐王神社のご由緒書によると、スセリヒメは、この地で‟唐王御前様‟ と呼ばれ、『「マァムシ マァムシ ヨオケヨケ 唐王御前様のお通りだ。」草の茂みを通るときに、こう唱えながら通ると蝮(まむし)などの蛇はもとより、毒虫などが退散し難を逃れると言われてきた』とあります。
また
『唐王御前様は大国主命の御妃であり、唐の王族で唐から渡ってこられ、近くを流れる阿弥陀川(あみだがわ)付近の白川に上陸された』
とも記述があり、興味は尽きません。

さて、スセリヒメといえば、父君はスサノオノミコト。スサノオがオオクニヌシに与えた試練を一緒に力を合わせて乗り越えますよね。ご本殿の砂をいただいて家屋敷にまけばムカデなどが退散、お守りとして身に着ければ蝮の害を逃れることができると言われています。拝殿前に「毒虫(マムシ)よけの砂」として、袋に入れて置いてありますので、参拝者は300円でその御神徳(ごしんとく)を授かることができます。
所在地:鳥取県西伯郡大山町唐王725

壹宮神社(いちのみやじんじゃ)

次に訪ねたのは壹宮神社。オオクニヌシの娘シタテルヒメが祀られています。
シタテルヒメは、葦原(あしはら)の中つ国の中でも、その名の通り照り輝くほどに美しい姫だったとのこと。子授け・安産の神として多くの参拝者があり、地元では安産祈願で有名なのだとか。
参拝を終えて宮司さんがいらっしゃる社務所へ。
御朱印をお願いしました。併せて唐王神社の御朱印もいただくことができました。
壹宮神社の手水舎横にある「さいの神さん」
壹宮神社の手水舎横にある「さいの神さん」
所在地:鳥取県西伯郡大山町上万1124

大神山神社奥宮

もひとりの神事「夕祭」

このお祭りの時だけ奥宮の幣殿が一般に公開され、拝殿左右の部屋に泊まることができる‟お籠り‟。今回は参加者全員がお籠りのため、荷物を携えて先ずはお清めの温泉。昨年の経験から夕食も済ませて大神山神社奥宮へ。19時からは夕祭が開催されます。
大神山神社奥宮 幣殿
大神山神社奥宮 幣殿
鳥取荒神神楽研究会の皆さん
鳥取荒神神楽研究会の皆さん
昨年は、丁度開山1300年ということもあり、多くの人が詰めかけた夕祭にも今年は随分と落ち着いた感じ。きっと例年の雰囲気に戻ったのでしょう。ここで2人合流し、6人の参加者で夜食をつまみ、神楽を観ながらまったりと過ごします。しかし、夜の雨が心配・・・。
所在地:鳥取県西伯郡大山町大山1

もひとりの神事「派遣祭」「朝祭」

午前1時。
寝屋の明かりが点り、幣殿では山頂から御神水(ごじんずい)と薬草のヒトツバヨモギを持ち帰る皆さんをお送りする「派遣祭」が始まります。御祈祷の後、境内で「湯立神事」(ゆだてしんじ)が執り行われ、同行させていただく一般参加の私も身が引き締まります。
一行は、神社の裏手から行者谷を登り、5合目で夏山登山道に合流します。ブナ林の中を行く行者谷は、日のあるうちは木漏れ日が続きますが、この日の夜は雨が降ったりやんだりで、レインウェアを着込むと暑く、脱ぐと肌寒いという何とも悩ましい気候でありました。
「湯立神事」先達さん・剛力さんほか
「湯立神事」先達さん・剛力さんほか
午前4時30分を待って山頂近くの石室に設置された祭壇前で祝詞が奏上され、御神水と薬草を持ち帰る準備が整います。今年は気温が低かったこともあり、昨年悩まされたブヨもおらず平和なひと時。遠くは東京から来られている方もおられ、持ち帰る支度が整うまで準備されたおにぎりや手作りのお漬物をいただきながら、御神水を汲み取り、薬草を刈り取る剛力さんたちを見守ります。
祝詞奏上
祝詞奏上
山頂近くの梵字ヶ池から霊水を汲み取ります
山頂近くの梵字ヶ池から霊水を汲み取ります
たっぷりと採取した薬草を剛力さんが背中に括(くく)り付け、帰路につきます。神社が近くなると全員身なりを整え、無事持ち帰ることができたことを神職さんにご報告します。
剛力さんが背負っているのが薬草のヒトツバヨモギ
剛力さんが背負っているのが薬草のヒトツバヨモギ
所在地:鳥取県西伯郡大山町大山
薬草と御神水は神様にお供えされ、希望者には御下がりをお授けいただくことができます。社ガールメンバーも頂戴し持ち帰ってお茶や、薬湯にしていただきました。永く守られている神事に参加すると気持ちも清々しくなり、自分を見つめなおす機会を与えていただける気がします。また来年、今度は一人で参加しよう!
持ち帰った薬草を神様にお供えします。
持ち帰った薬草を神様にお供えします。
協力:岡 寿美子(社☆ガール)