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山陰スピリチュアル紀行

神々が宿る、数百万年前の地層と神社[美保関町]

明島神社、爾佐神社、恵比須神社

春うららかな3月の神社めぐりは、島根半島の雄大な岩場に張り付く神社を巡りました。
しかも今回は、隠岐や島根半島の海岸線(岩場、地質、自然)を研究している『くにびきジオパーク』プロジェクト長の地学教授・野村律夫先生(島根大学)が同行され、浦々に広がる地層の魅力を教えてくださいました。

野村先生です。
野村先生です。

明島神社

惣津浦とよばれるこのあたりの地域には、ゴツゴツとしたマグマが固まった岩塊や、砂岩と泥岩が交互に重なった地層が海岸線に広っています。およそ1,600万年前にできたそうです。
霊長類は出現していますが、人類はまだです。イザナギ、イザナミがごろごろと日本列島を創っているころでしょうか。
そんな惣津の大きな岩塊の上に明島(めいじま)神社があります。
御祭神は海津見命(ワダツミノミコト)。「三社大明神」とも言われていますが、海津見の神が底津綿津見(ソコツワダツミ)・中津綿津見(ナカツワダツミ)・上津綿津見(ウワツワダツミ)の三神だからかな... 詳しくはわかりません。
とにかく上からの眺めは最高です。海の色がエメラルドグリーンでとっても綺麗でした。
【所在地】島根県松江市美保関町七類明島
さて、ここにはもう1か所見どころがあります。約20年前の1992年、ここ惣津の松本邸に隕石が落ちたのです。
松本さんは、そう社☆ガールで喫茶『クリフネ』の店主、松本さんですヽ(^o^)丿
落下当時は全国ニュースでも頻繁に取り上げられ話題になりましたよね~。今でも観光名所になっています。家の中まで案内してもらい、落下の跡も見学。
惣津では海中から湧き出た地球の鉱物、そして宇宙からやってきた鉱物を体感することになりました!

爾佐神社

続いて尋ねたのは千酌浦。こちらは1,300年前の書物「出雲国風土記」に“隠岐国への渡しが置かれた場所”として記される重要な地域です。
ここには立派な社殿の爾佐(にさ)神社があります。毎年4月3日に「流鏑馬神事」が行われることでも有名です。
御祭神は伊邪那岐・伊邪那美・都久豆美神。ツクツミ神からツクミ→チクミと訛って地名になったとも。宮司さんによると佐太神社(出雲四大神)ともかかわりが深く、“扇”の神紋が同じだったり、本殿はまっすぐ佐太神社のほうを向いているのだとか。
佐太神社から山を越えて爾佐神社へ、そして海を渡って隠岐へ。もしくはその逆か。いずれにせよ、古代の人たちのゆっくりと大きな動きが想像できてドラマチックです☆
そして、この日本海に面した爾佐神社。整備された漁港の堤防を越えて海岸に出てみると...
およそ日本とは思えない、ビックリな光景が\(◎o◎)/!
見事な洗濯岩のような波食棚(はしょくだな)が広がっていたのでした!波食棚といえば宮崎県の「鬼の洗濯岩」が有名ですが、松江にもあったんですね~ 素晴らしい景観です。
くにびきジオパーク、見どころ満載です。
【所在地】島根県松江市美保関町千酌1052

川本分家

お昼は民宿で頂きました。このあたりはレストランやカフェが見当たらないのですが、それがかえって良かったです。地元のお母さんが、旬の浦の幸満載のランチを用意してくれました。ワカメの刺身が本当に美味しかった~。これで1人1,000円です!
【所在地】島根県松江市美保関町北浦297
TEL:0852-75-0833

恵比須神社

笠浦の岬の先、海が荒れた日はザブーンと波にさらわれそうな舗装道路を歩いていると、到着しました! 恵比須(えびす)神社。
断崖絶壁、地層丸出しの切り立った岩肌にお社が作られていました。海面に突き出したような鳥居が印象的です。神事の際は神職や氏子さんが船で海からわたって来るそうです。
野村先生によると、ここの岩場は足場の火砕岩とお社のある岸壁との地質が異なり、1,500万年前は海底にあったものが海底火山で盛り上がり、また火山灰や小石が積もってできたものだそうです。
ダイナミックな地形の動きが目の前に広がっています。昔の人々も、この自然の圧倒的な造形物に神の存在を感じて、この場所にお祭りしたのでしょう。
【所在地】島根県松江市美保関町笠浦
このように島根半島の日本海側の浦々には、ジオパークに代表される雄大な岩場とその尊大さに敬意を感じて祭られた神社が点在しています。
ジオパークの神社めぐりツアー、続編が出来そうです。
協力:社☆ガール 河野 美知(2016.3.19)